トイレの現地調査
トイレを確認すると、便器や給排水設備そのものに大きな不具合があるわけではありませんでした。しかし、現在のトイレには身体を支えるための手摺が設置されておらず、電動車椅子で生活されるお客様にとって、移乗や立ち座りの際に身体を支える場所がないことが課題でした。この状態が続くと、立ち上がりや方向転換の際に身体のバランスを崩し、転倒につながる可能性があります。また、無理な姿勢を繰り返すことで身体への負担が増えることも考えられます。日常的に使用する場所だからこそ、必要な位置に手摺を設けることが重要です。
浴室の現地調査
浴室についても、既存設備に大きな故障があるというより、移動や立ち座りをサポートする手摺がないことが使い勝手の課題となっていました。浴室は濡れた床や水滴によって足元が滑りやすく、身体を支える場所がない状態では、浴槽への出入りや洗い場での立ち座りの際に転倒するリスクが高まります。特に電動車椅子での生活では、車椅子から浴室内への移動時にも身体を安定させる必要があります。手摺がない状態をそのままにすると、毎日の入浴時に不安を感じるだけでなく、転倒によるケガにつながる可能性もあるため、身体の動きに合わせた位置への設置が必要です。
洗面室の現地調査
洗面室も確認したところ、手摺が設置されていないため、電動車椅子からの移動や立ち上がりなどの際に身体を支えにくい状態でした。洗面室は、洗面台を使用したり着替えたりするなど、日常生活の中で身体の向きを変える動作が多い場所です。支えとなる場所がないまま無理に動くと、足元がふらついた際に転倒する可能性があります。現在すぐに事故が起きていなくても、身体状況や生活スタイルが変化した場合には不便が大きくなることもあります。今後も自宅で安心して生活できるよう、実際の動作を考えながら手摺の位置を検討する必要がありました。
既存スロープの現地調査
屋外の既存スロープは、スロープ自体の長さが短く、その分勾配が急になっており、現地では約10度の勾配を確認しました。電動車椅子で昇り降りする場合、急な勾配では進行方向を保つことや速度を調整することが難しくなり、操作状況によっては転倒や転落などの危険につながる可能性があります。現在も使用できるからといってそのままにすると、外出時のたびに不安を感じるだけでなく、身体状況の変化によってさらに移動が難しくなることも考えられます。そこで、スロープの長さを確保し、勾配を緩やかにすることが必要と判断しました。